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森林の楽しみ

ガマズミの四季

ガマズミ1ガマズミという落葉低木(スイカズラ科)は、山を歩くと割合よくみかける。白くてかわいい花を付けてたたずむその姿は、春の山歩きをする人達にとっては、しばしの安らぎを与えてくれる樹木である。せいぜい高くなって4メートルくらいだろうか、人間の身長からするとちょうどいい目の高さで見ることができるので、よけい親しみが湧いてくるんだと思う。周りの大きな樹木群の中で、とっても小さな花(直径5ミリ程度)が集まって白い花を付けているのを見ると、『元気で頑張るんだよ!』と声を掛けたくなるくらい可憐な感じがする。春の白い花を付ける樹木達(コブシ・ヤマボウシ・ウワミズザクラなど)は、秋の成熟しきった森の装いとは違った息吹を漂わせる春の森の雰囲気の中で、白無垢のような清楚さが感じられてとても好きな花の色であり、樹木たちである。もっとも、僕の気持ちの中では味覚を満たしてくれる秋のガマズミになるまで無事の成長を祈る卑しい心があることも事実である。


ガマズミ2夏の猛烈な暑さにも耐えて、今年も大地や太陽の恵みを充分吸収したガマズミが、きれいな赤い実をたくさん付けている。春に目立った白い花に代わって、秋の山歩きでは葉緑素たっぷりの緑の葉がカラフルな色に変わっている。ヌルデやウルシの赤、ヤマノイモ(自然薯)の黄色などに混じってキノコの多彩な形や色も山を歩く人たちの視覚を満足させてくれる。そんな中でガマズミの赤い実も、はっとするくらい目立つ実である。それを見つけたとたんに卑しい本性がむくむくと出現してくるのを抑えきれないのである。今年こそと思いながらいつも作る事ができなかった、“ガマズミ酒”を今年は作って、自分の味覚を満足させてやろうという思いである。なぜ今まで作れなかったか!それは小鳥達との“ガマズミの実収穫戦”にことごとく敗れてきたためである。今年こそは何としても小鳥達に負けるわけにはいかない、なぜなら今年は“ガマズミ酒”を作ると何人かの人に宣言してしまったからであるが、かといってガマズミの実に網をかけて小鳥達が取れないようにするのは、なんともフェアではないし、正々堂々の戦いとはいいがたい。小鳥達との戦いはこれから霜が降りる頃までが正念場である。ガマズミはもちろん人間と小鳥の為に実を付けているわけではないので、酒にするのに必要な分だけおすそわけしていただければ僕としては充分なので、小鳥達が実を食べて糞と一緒に種を方々に拡大してくれる事にいささかも異論はない。
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